V.A.
戦前ジャズ・コレクション テイチクインスト篇 1934~1944

定価: 3,456円 (本体価格3,200円+税)

  • 商品番号: G-10003-4
  • 2012/11/25 発売
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 いま甦る!戦前ジャズの真髄。テイチク・ジャズオーケストラ、タイゾウ・スヰング・オーケストラ、ジェリー・ウッドとアンバサダース、バッキー白片のアロハ・ハワイアンズ・・・・昭和10年代、「ジャズ王国」と謳われたテイチクが旺盛にレコーディングしたインストはまさに戦前ジャズの眠れる宝庫であった。いま満を持して、テイチク・エンターテインメントの全面協力のもと録音*発売データも完備してお送りする。
ニッポン・スウィングタイムを体現する怒濤のサウンドを刮目して聴け!


VOL.1
1. ハレムから来た男 / ディック・ミネ・エンド・ヒズ・セレナーダス
2. 五銭白銅 / テイチク・ジャズ・オーケストラ
3. 白帆は夕陽に映えて / テイチク・ジャズ・オーケストラ
4. リヅム・カクテル / テイチク・ジャズ・オーケストラ
5. 密林 / テイチク・ジャズ・オーケストラ
6. ひとりぼつち / テイチク・ジャズ・オーケストラ
7. 素晴らしいスヰング / テイチク・ジャズ・オーケストラ
8. ベニスの謝肉祭 / カウント・ヴィディ,cl 四ホール連盟ダンスオーケストラ
9. サキソホンとニハトリ / 新野輝雄 C-melody sax, テイチク・オーケストラ
10. 逝く秋 / 吉田末男 g, 青木茂信 vib
11. 青空 / 杉原泰蔵 テイチク・ジャズ・オーケストラ
12. キャラバン / 杉原泰蔵 テイチク・ジャズ・オーケストラ
13. ハレルヤ / 杉原泰蔵 テイチク・ジャズ・オーケストラ
14. 上海の夜は更けて / 杉原泰蔵 テイチク・ジャズ・オーケストラ
15. ハーレム・ボレロ / 中澤寿士 テイチク・ジャズ・オーケストラ
16. 九月の雨 / 中澤寿士 テイチク・ジャズ・オーケストラ
17. 青空 / 杉原泰蔵 テイチク・ジャズ・オーケストラ
18. ダイナ / 杉原泰蔵 テイチク・ジャズ・オーケストラ
19. 月の塹壕 / 杉原泰蔵 テイチク・ジャズ・オーケストラ
20. 満州娘 / 作曲:鈴木哲夫 / 杉原泰蔵 テイチク・ジャズ・オーケストラ
21. マドロスの唄 / 伊藤恒久 テイチク管弦楽団
22. 民謡を主題とせる軽音楽 - 会津磐梯山 / 高木東六(p) 帝国管弦楽団

VOL.2
1. ハット・スタッフ / 四ホール連盟ダンスオーケストラ
2. 馬の背中で / 四ホール連盟ダンスオーケストラ
3. Dinah(1925) / Bud Sullivers(vo), Jerry Wood and his Ambassadors
4. Shanghai Lil(1933) / Russ Franker(vo) Jerry Wood and his Ambassadors
5. Honeymoon Hotel(1933) / Russ Franker(vo) Jerry Wood and his Ambassadors
6. Morning,Noon & Night(1933) / Jerry Wood and his Ambassadors
7. Savage Serenade(1933) / Russ Franker(vo) Jerry Wood and his Ambassadors
8. ブロードウェイの子守唄 / A. L. King A.L.キング・エンド・ヒズ・フロリダ・リズム・エーセス
9. 恋人よまた逢ふ日まで / テッディー・ウエストフィールド・エンド・ヒズ・ダンス・ミュジック
10. インドの唄 / テッディー・ウエストフィールド・エンド・ヒズ・ダンス・ミュジック
11. フラブルース / バッキー白片 アロハハワイアンズ
12. カヌーの中で / バッキー白片 アロハ・ハワイアンズ
13. 可愛いブラウンさん / バッキー白片 アロハ・ハワイアンズ
14. The Campbells are Swinging(1937) / KEIO. B.R.B. LIGHT MUSICIANS
15. Abba Dabba(1937) / KEIO. B.R.B. LIGHT MUSICIAN
16. お休み維納 / 杉原泰蔵 タイゾー・スヰングオーケストラ
17. 頭は空っぽ / 杉原泰蔵 タイゾー・スヰングオーケストラ
18. 私のマリア / 杉原泰蔵 タイゾー・スヰングオーケストラ
19. ムーンラブ / 杉原泰蔵 タイゾー・スヰングオーケストラ
20. シム・シャム・シミ / 杉原泰蔵 タイゾー・スヰングオーケストラ
21. ♯C短調の前奏曲 / 杉原泰蔵 タイゾー・スヰングオーケストラ
22. ダンス祭 / 藤村一郎(vo) 四ホール連盟ダンスオーケストラ


「戦前日本ジャズの宝庫テイチクジャズインストの発掘を祝う」

 テイチク・レーベルの戦前インストゥルメンタルジャズコレクションが出ることになった。戦前日本ジャズを愛好する者にとっては従来欠けていた重要部門であり、誠に喜ばしい。
戦前の主要レーベル中、テイチクはインストジャズについて最も積極的に外国ジャズ曲を録音・発売した。
それは他のコロムビア・ビクター・ポリドール・キング各社がそれぞれ洋楽部門を持ち、海外レーベルのジャズレコードを国内発売していたので、わざわざ国内の日本バンドに同じインスト曲を制作させる必要がなかったからだ。ジャズ・ポップス制作の重点はむしろ海外ジャズのヒット曲のボーカルを日本語バージョンで制作することにあった。
しかし、テイチクだけは海外レーベルと提携しなかったので、国内の日本人バンドや来日外国人バンドにインスト曲を録音させたのである。その結果1935年(昭和10年)以降実に多くのジャズインストが多くのグループによって録音された。初期のジェリー・ウッドやテッディー・ウエストフィールドのバンドはなかなかジャズ的に優れているが、A.L.キングのようにフロリダに長く出演した記録があるバンドと違って、果たして日本に滞在していたのかどうか不明なので今後の解明を期待したい。
ジェリー・ウッド4曲の発売は、1934年(昭和9年)であるので、ディック・ミネの「ダイナー」が出る前であろう。四ホール連盟ダンスオーケストラ4曲に至っては、1934年(昭和9年)2月に発売されており、疑いなく関西で録音されたテイチク最初期のジャズであり、アルトサックスとクラリネットの名手、ヴィディ・コンデのソロが聴ける貴重なアイテムである。
ディック・ミネのジャズソングが売れ出してから、1936年(昭和11年)以降テイチク専属バンドが整備され、インストを続々出すようになる。その際、国内流行歌のジャズ化と並んで、アメリカンジャズを多数吹き込んでおり、レッド・ニコルスの「5つの銅貨(発売時は『五銭白銅』と訳されているのが愉快だ!)」や、チュー・ベリーの"Christopher Columbus"、レジナルド・フォーサイスの"Deep Forest"、エリントンの"Caravan"、ハリー・ウォーレンの"September in the Rain"はじめ、実に15曲もの ジャズ曲インストを収録できたことは誠に快挙であり、毛利・保利御両人のコレクターとしての御努力の賜物である。また、ここに聴く杉原泰蔵と中澤壽士の編曲手法と演奏するバンドメンバーの力量にも敬意を表したい。杉原泰蔵のタイゾー・スヰングオーケストラを6曲も集めたことも大壮挙である。本CDにより戦前日本ジャズの水準の高さについて、更に広い理解が深まるよう期待したい

2012年10月10日記 瀬川昌久


このCDには歌が入っておりません。いや、若干入ってます。ただそれはあくまでも添え物であって、主たる目的としては「戦前のジャズインスト音源を楽しむ」ために制作しました。
日本における戦前のジャズ復刻盤を僕らは色々と制作してきましたが、「インスト(演奏)」だけにテーマを絞ったのは今回が初めてです。これは制作者としては無謀な賭けかもしれませんが、ジャズ音楽の真髄、そしてレコード文化の一端としてはやはり「インスト」のレコードを抜きに語ることはできません。
これは、販売枚数の如何に限らず出すことに意義があると決意し、また永い目で見てもきっと評価していただけるであろうと信じて企画に至ったわけです。

このCDの発売のちょうど1年前(2011年)に、戦前よりの大手4レーベル(コロムビア・ビクター・テイチク・キング)にて毛利眞人さんらと監修させていただいて発売された「ニッポン・モダンタイムスシリーズ」は、各社戦前のジャズ音楽の粋曲を収録したまさしく珠玉のヒット・アルバムとなりました。
しかし、その際にどうしても収録からもれてしまった音源(インストやマイナー音源)が多数あって、これらアウトテイクを再構成し、あらためて発売することが「ニッポン・モダンタイムスシリーズ」の世界観に、更なるリアリティを浮かび上がらせる事ができると思っています。
戦前大手レーベルにおけるレコーディングオーケストラ(=ジャズバンド)の演奏水準は現代において触れてみても高く、「アレンジのアイデア」「ジャズマンたちの心意気」を感じていただきたく、またワン・ポイントから数本のマイクでダイレクト録音された音源の「みずみずしさ」「戦前の空気感」を是非触れてみていただきたい。
さすれば、「ジャズは本当に進駐軍が持ち込んだのか?」との疑問は、まさに「ロスト・ワールド=失われた世界への探訪記」と言う意味合いである、この考古学的CDを聴けば解明されると信じております。
今回は、大変好評だった「ニッポン・モダンタイムスシリーズ」同様に、音の生々しさやみずみずしさを重点に置き、音のエッジを損なわない程度だけのノイズを処理しました。
また、今回SP盤よりデジタル化の際に「オルトフォンCG 65Di MK?」「音のエジソン・レプリカGOLD」ほかのカートリッジを使用し、24bitでのマスタリングを施しました。(とはいえ以前からのマスタリングもほぼ同等ですが)今回は音へのこだわりとの事であえて表記いたします。

最後にこのアルバム制作にあたっては、大手レーベルであるテイチクエンタテインメント様の音源を特別に使用させていただけることになり、関係各位には大変ご助力をいただきました。この場にて御礼申し上げます。

保利 透 (ほり とほる)

1972年、千葉県生まれ。戦前レコード文化研究家 
ぐらもくらぶ主宰
時代にスポットを充て、過去と現代の対比を検証するというテーマのもと、戦前の音楽の素晴らしさと、録音による時代の変化をイベントやメディアを通じて伝えている。
SP復刻CDのマスタリング・制作監修に「ニッポン・モダンタイムス」シリーズ(コロムビア・ビクター・テイチク・キング)「唄うエノケン大全集」(ユニバーサル)など


企画・制作・マスタリング : 保利透
監修・選曲・解説・歌詞聴取 : 毛利眞人


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